蕎麦好きの独り言(2014.03.03up)

その四、「山勘」


どちらかと言えば思い込みの激しい性格なのか、ある言葉の解釈をずっと間違っていたことに時々気付く。
酒田には「玉勘」と言う鰻の名店があるのだが、筆者のような貧乏人には敷居の高い店なのは確かなこと、ずっと「山勘」と思い込んでいたというのは寒くて冗談にもならない。
まあ良い。その近くに「田毎」と言う蕎麦屋さんがあり、映画「おくりびと」のロケ時に本木雅弘や山崎努が頻繁に訪れたというのは有名な話なのだが、今時、台町(今は日吉町)になんて行けるようなご時世ではないのだ。(ブツブツ…)

山勘とは山本勘兵衛の略という説もあるそうだが、ずっと山屋の勘と思い込んでいた。しかし山師の勘が正しいらしいがどちらもあまり違わない気もする。
山師とはいわゆる一発屋のこと、当たるも八卦当たらぬも八卦、まあ確率的に言えば50%なのだろうが、何故か山師の場合は90%の確率で外れるみたいだ。

冷静に考えると山師の言うことと反対のことをしていれば得することになるが、世の中そんなに甘くはない。特に筆者の場合緻密に計算して冷静に物事に対処する性格なので(嘘です)世に蔓延している甘言に騙されることは少ないと自分では思っていたのだが、実は小心者のドケチな性分がたまたま功を奏しているだけだとある日気が付いた。
とは言っても人の性格など簡単に変わる筈もなく(変えようとも思わないが)これからも山屋の勘と言うことで自分の中では考えていきたい。

自分では今も山屋であると思っているが、世間的にはどうも違っているように感じる昨今、要するに山に行かなければ山勘も鈍ると考えている人たちは多いと思う。自分がせっせと山に通っていた頃はほとんど単独行であったゆえ、里人よりは五感が鋭敏だと自負していた。しかし一年一度の運動会で大怪我をするのと同じで、たまに山登りすると昔の感覚で歩いている自分に気付く。その結果はご想像通りで惨憺たるものだが、未だなんとか生きているのも悪運だろう。

特に冬山では一つのミスが命取りになる。以前は冬山でも単独で行動することが多かったのでそれなりに怖い思いもした。ここに入っていったらやばいんじゃないかと言う勘に助けられたこともあるが、単独行ゆえの縛りのなさが幸いした例でもある。
最近は里人に近くなったからか山勘が冴えない。そして苛立つことも多い。
頭に血が上ると普段考えていることと逆の行動をする場合が多い。これは性格的な問題なのだろうが筆者の癇癪は最近阿蘇山のように大量の火山灰と共に大爆発することが非常に多くなった。火山灰と蕎麦粉が似ているか否かは存じ上げないが、蕎麦打ちをすると気持ちが静まる場合も時にはある。なんでだろう…

最近我が家での蕎麦打ちは二八を卒業して外十一が主流である。これは家族の好みがそうさせるのであって決して私個人の勝手な嗜好ではない。しかし毎度同じ事をやっていても進歩はないと思うから生粉打ち(十割)に挑戦したくて情報を集めた。
ネットを開いて「蕎麦打ち」で検索すると実にいろいろな情報がヒットするのは周知である。見ている内にこれは何とかなると思い込むのが浅はかなところで、自分は蕎麦打ちの天才だななどと思っているバカがこの文章を書いている人なのです。結果を申せば確かに繋がって出来ました。しかし、美味しくないのですよこれが…

プロの蕎麦職人が自身の技をそんな簡単に公開するはずがないのは、冷静に考えれば誰だって理解できる。実際蕎麦屋さんに行って十割と二八蕎麦を食べ比べたことも少なからずあるのだが、素人なので間違っているのかも知れないが、個人的見解で二八の方が風味、喉ごし共に好ましく感じる場合が多かった。
筆者の人格と味覚が常人と違っていることは十分承知しているが、個人の嗜好なのだからしょうがない、人間は本能的に美味しい方を選ぶものだ。これを快感原則という。
家人も同じ意見で筆者が打った十割蕎麦は美味しくないとはっきり言う。
う〜む…

こんなことを言われて黙っている訳にはいかず、当然大いにいじけましたよ〜(大笑)
蕎麦打ちなんか金輪際するもんかと大啖呵を切り、道具一式最上川にぶん投げてやると毒づいたのも心の中だけ(汗)
本当に小心者の見本みたいな性格だが、三日もすればケロリと忘れてしまい今度の週末はどんな感じで打とうかなどと日々妄想している始末。
おいおい、もっとまじめに仕事しろ…(怒)と言う声もたまに聞こえるが無視ですな。

繋ぎを入れるのは小麦粉の香りがきつくて嫌だという人もいる。確かに理屈では繋ぎを使わない打ち方の方が蕎麦の風味は勝るはずだと思うしそう言う意見もある。一体どうしたら良いんでしょうかね?

そこで突如のひらめき(山勘)が…

何かって

外五分だよ…(笑)

ふう〜…妄想は果てることがない。


やれやれ




2014.03.02(日)響ホールにて
酒フィルファミリーコンサートの様子
蕎麦打ちとは関係無いけどね…
久々に響ホールに足を運びましたが、
やっぱり音が良いですねぇ〜